韓国の住所は、覚えるべき暗号ではありません。道順の説明であり、最後の番号は目盛りです。
それがわかると、予約確認書に並んだ文字列が意味を持ちはじめます。曲がる前にその道の 大きさがわかり、自分の目的地が道のどちら側にあるかがわかり、どのくらい歩くのかも だいたい見当がつきます。
分解してみる
実在の住所で見てみます。衿川区の区役所が、この制度の説明に自分で使っている住所です。
順に読むと範囲が狭まっていきます。市、区、道路、建物。そして括弧の中は町名で、これも 正式な書式の一部です。
効くのは番号のほう
番地というものは、たいてい適当に振られた記号だと思われています。韓国のものは違います。
道路に番号を振ったときの規則は機械的でした。片方の端から始めて、20メートル進むごとに 番号を2つ増やす。左が奇数、右が偶数。つまり番号そのものが距離を抱えています。10を掛ければ、 起点からおよそ何メートルかが出ます。
70番は約700メートル地点の右側。9番なら起点のすぐそば、左側です。地下鉄の出口が230番の あたりで、探しているのが20番なら、振り返るべきだとすぐわかりますし、それが数軒先ではなく そこそこの距離だということもわかります。
番号が進む向きも決まっています。道路は西から東へ、南から北へ設定されているので、起点は その道の西端か南端です。
道路名の末尾の一文字
3種類あり、道路を大きさで仕分けています。
**대로(テロ)**は8車線以上。**로(ロ)**は2〜7車線。**길(キル)**はそれより狭い道で、 実際にはおいしい店が並んでいるのはたいていこのキルです。
使えるのは、始興大路73キルのような名前の読み方です。大きい道の名前を持つキルは、その道から 分かれた枝道で、番号は分岐点を示しています。この道は始興大路の73番あたりから始まります。 大きい道さえ見つかれば、地図なしでも小さい道にたどり着けます。携帯の電池が切れていて、 目当ての路地が15本のうちのどれかわからないとき、これが効きます。
予約確認書と地図が食い違う理由
韓国は住所の体系を切り替えましたが、古いほうを消し切ってはいません。
道路名住所が法定住所になったのは2014年1月1日です。その前には両方を併用した期間が 何年かありました。古い体系は道路ではなく土地の区画に番号を振る方式で、区画そのものが 問題になる場面、つまり不動産の書類や登記、それに古い書類の多くでは今も使われています。
結果として、ゲストハウスの掲載情報、店自身のサイト、行政のページが、同じドアについて 見た目の違う住所を出してくることがあります。どれも間違いではありません。ネイバー地図も カカオマップもどちらの形式でも読むので、地図アプリは4つ目の意見ではなく、決着をつける 側になります。
郵便番号も変わりました。2015年8月1日から6桁ではなく5桁で、道路名住所に紐づいています。 6桁の郵便番号が載っているページは、10年間更新されていない印だと思って差し支えありません。
運転手に見せるもの
ローマ字ではなく、ハングルのほうです。
ラテン文字で書かれた住所は音の置き換えであって、翻訳ではありません。韓国語に訳された わけではなく、文字を移しただけなので、運転手はそれを頭の中で戻す作業をすることになります。 すぐできる人もいれば、そうでない人もいて、どちらにせよ工程がひとつ増えます。
住所はハングルのまま画面に出しておくか、地図アプリでピンを立てて、その画面ごと見せて ください。渡せる画面の作り方はネイバー地図のページに、 渡したあとの話はタクシーのページに あります。
最後にひとつ。小さく聞こえて、実はそうでもない話です。会話のなかで道路名を使う人は あまりいません。使われるのは括弧の中の町名と、目印です。何番出口、大きい交差点、角の チェーンのカフェ。正式な住所は荷物に貼るためのもので、括弧の中は、待ち合わせ場所を 口で伝えるときに出てくるほうの名前です。
車線数による道路の区分、左が奇数・右が偶数の規則、住所の並び順、そして例に使った住所は、 衿川区が公開している道路名住所の説明を2026年9月14日に確認したものです。建物番号に10を 掛けると起点からのおおよそのメートル数になる、という説明もそこにあります。枝道が親となる 道路の名前と分岐点の番号を引き継ぐ命名方式は、道路名住所法の下位規則に定められています。 道路名住所の法的施行は2014年1月1日、5桁の郵便番号への切り替えは2015年8月1日です。