車いすで動くなら、ソウルはアジアの大都市のなかでも実際に動きやすいほうです。 2025年末にはさらに目に見えて良くなりました。同時に、見出しの数字と あなたの午後を左右する数字が一致しない街でもあるので、ここでは分けて書きます。
発表された数字、そしてそれは本物です
2025年12月29日、5号線カチサン駅に最後のエレベーターが入り、 ソウルは市が運営する338駅すべてに地上からホームまでの段差なし経路を 完成させました。対象は11路線、1日約700万人が使う規模です。市は 2008年から2025年までの18年で1,751億ウォンを投じ、残っていた79駅を改修しました。
これは数字の丸め上げではありません。満たされた基準は「駅のどこかに エレベーターがある」ではなく、車いす利用者が誰の助けも借りずに 地上から電車まで連続して移動できる経路がある、という条件です。
ただし、という部分
338駅は市が運営する駅です。1〜8号線に9号線と2つの軽電鉄を加えたもの。 ソウルの地下鉄路線図には、市内にありながらコレールが運営する駅も 数多く載っています。1・3・4号線の郊外寄りの区間や、同じ路線図に乗っている 広域電鉄の各線です。それらは別の事業者の管轄で、この集計には入っていません。 発表の場で障害者団体がまさにこの点を指摘しました。もっともな指摘です。
実務的にはこうなります。路線ではなく駅を確認すること。 1号線や4号線で 市の端のほうへ向かう区間や、広域電鉄の各線を使うなら、その駅を個別に 確かめてから予定に組み込んでください。都心の市営路線なら、段差なしを 前提にして構いません。
バスは思っているより進んでいます
2026年1月時点で、ソウルの市内バス7,383台のうち5,439台が低床バス(저상버스)。 396路線で73.6%です。比較のために書くと、2004年には市全体で66台でした。
全国目標は2026年までに市内バスの62%でしたから、ソウルはとうに超えています。 ただし割合は個別の便を保証しません。路線内で車両が混在しているので、 同じ停留所に低床バスが来た20分後に段差のある車両が来ることがあります。
誰も書かないサービス
出発前に控えておく価値があるのはここです。
**タヌリム(다누림)**はソウル観光財団の運営で、福祉車両を貸し出しています。 車いすリフト付きの大型バス(車いす席8・一般席21)と、空港送迎もできる 車いす対応ミニバンです。
対象は思ったより広く、障害のある方、65歳以上、6歳未満の子ども連れ、 そしてその同行者。2019年から運転手・燃料費・駐車料は無料です。
外国人の予約を受け付けていて、サイトseouldanurim.netは英語でも動きます。 電話は1670-0880。予約は常時ではなく月ごとの受付枠で、障害のある利用者が 1日先行して予約できる仕組みなので、渡航直前ではなく早めに見ておいてください。
コールタクシーの話を正確に
英語の記事はたいてい、ソウルの**障害者コールタクシー(장애인콜택시)**は 居住者専用だと書きます。運営側の利用基準にはそう書かれていません。 乗車できる対象として、**車いすを利用する障害のある外国人(パスポートなどの 本人確認書類を確認のうえ乗車)**が明記されています。
その頁が答えていないのは、居住者に求められる事前登録が旅行者にも要るのか、 という点です。ここは賭けずに電話する部分です。1588-4388。 タヌリムを本線にして、コールタクシーは確認事項として扱うのが現実的です。
交通より遅れている2つ
国の無障害旅行ポータルは韓国語のみです。 韓国観光公社はバリアフリー専門の 旅行会社、対応ホテル、機器レンタル、慶州・江陵・大邱・済州の地域センターまで 含む充実した情報を出していますが、英語版がありません。ソウルのタヌリムには あります。このガイドでタヌリムの比重が大きいのはそのためです。
ソウルの外では一気に薄くなります。 上の段差なしの数字はソウルの数字です。 他の都市はそれぞれの速度で進めていて、地方はまた別の話になります。
細かい実務
宮殿と王陵の入場料は障害のある方は無料。韓服の着用者、18歳未満と 65歳以上の外国人と同じ区分です。
そして、うまくいかないときや答えが得られないときは1330。観光ホットラインで、 24時間、日本語でも対応し、案内するだけでなく代わりに話してくれます。 できること・できないことは緊急時のガイドに。 移動の可否とは別に地下鉄そのものが分かりにくい部分は 地下鉄ガイドにまとめてあります。
338駅という数字、完成日、カチサン駅の件、18年で1,751億ウォンはソウル市の発表と 韓国の報道より。コレール運営駅がこの集計から外れている点は、発表に合わせて 出た障害者メディアの報道より。バスの台数はソウル市の2026年1月の数字。 タヌリムの内容はソウル観光財団より。コールタクシーの利用基準はソウル施設公団の 頁からの引用。宮殿の無料対象は宮陵遺跡本部より。2026年9月11日確認。 バリアフリー化は進行中で、この件に関しては今後も良くなっていくはずです。 個別の駅や車両は、頼る前に確認してください。